高卒で就職するメリット・デメリットとは？大卒との違いを解説！

高校卒業後、就職しようかそれとも大学や専門学校などに行こうかと悩む人はたくさんいます。

高卒で就職しようと決めたものの、大卒と比べると就職で不利になってしまうのではないかと不安を感じている人もいるでしょう。

この記事ではそんな方に役立つ情報をご紹介していきますので、これからの進路に悩んでいるという方はぜひ記事を参考にしてみてください。

全体の17％は高卒後で就職、内定率は92％

実際、どのくらいの人が高卒で就職しているのか、気になっている方は多いのではないでしょうか？

文部科学省が行った「令和2年3月新規高等学校卒業予定者の就職内定状況」の調査によれば、日本全国の高校生の17.4％が高卒後、就職しているということがわかっています。（2020年3月卒業）

具体的な数字にすると、卒業予定者1,044,978人のうち、就職を希望したのは181,545人。数多くの人が高卒後に就職する道を選んでいるということがわかります。

また、気になる就職内定率は92％と高い数字になっています。日本では少子高齢化や生産年齢人口の減少が大きな問題となっていますが、働き手不足は企業にとって非常に深刻な問題です。

現在では積極的に高卒者の採用を行う企業は年々増えており、就職内定率は男女ともに上昇しています。

高校の入学者数確保のために就職率は大切な要素であるため、就職率は高校も力を入れている部分。高校卒業後、社会に出てすぐに活躍できる力をつけるために授業のカリキュラムの見直しを行うなどに取り組む高校もあります。

このような背景もあり、高卒だから就職しにくいとは言えない時代になってきています。

高卒と大卒の違いとは？

では、高卒と大卒にはどのような違いがあるでしょうか？ここからはその違いについて解説していきます。

最終学歴

まず、高卒と大卒の大きな違いが、最終学歴です。

高卒で社会に出ることを選択した場合、最終学歴は当たり前ですが「高卒」となります。

企業によっては高卒の人材は募集せず、大卒からの人材を探しているところもあるため、この部分は大きな違いだと言えます。

高卒と大卒では応募できる求人の幅も変わってくるということは覚えておくようにしましょう。

求人数

求人数も高卒と大卒を比較するポイントの一つです。厚生労働省の調査によれば、高校新卒生が対象となる求人数は下記のようになりました。

1、製造業…138,258人
2、建設業…66,231人
3、卸売業・小売業…56,287人
4、医療・福祉…45,397人
5、飲食サービス・宿泊業…25,825人

製造業がもっとも多く、その中でも輸送用機械器具や食料品の製造の求人数が多くなっていました。

では、大卒の求人数はどうでしょうか？リクルートワークス研究所の調査によれば、下記のような結果が出ています。

1、流通業…333,400人
2、製造業…279,200人
3、サービス情報業…93,200人
4、建設…88,200人
5、金融…10,700人

大卒でもっとも多い流通業は専門店、百貨店、商社などのことです。

上記のように、高卒と大卒では求人数の多い業種も変わってきます。

もちろん、高卒だから選べない業種があるという訳ではありませんが、求人数が少なければそれだけ倍率は高くなるため、就職のハードルが上がるということは覚えておきましょう。

生涯賃金

高卒の場合は18歳で、大卒の場合は22歳で社会に出ることになるため、働いている年数で言えば高卒の方が長くなります。しかし、生涯賃金は一般的に大卒の方が高くなっています。

高卒と大卒の生涯賃金にはかなり大きな違いがあり、男性の場合は6,000万円、女性の場合は9,000万円もの差があるということがわかっています。（卒業後に正社員としてフルタイムで60歳まで仕事をした場合）

とはいえ、これはあくまで統計です。生涯年収に関わる条件は他にも職種による給与の違いや役職につくかどうか、転職による給与アップなどさまざまです。

生涯年収はその人の努力次第でもあるため、一つのデータとして覚えておくといいでしょう。

高卒で就職するメリット

すでにご紹介のように、現代では高卒だからと言って就職しにくくなるという時代ではなくなってきており、高卒で就職するメリットもたくさんあります。

高卒は企業に人気がある

近年、高卒者向けの求人は急激に増えています。就職内定率も大卒97.6%、高卒98.1％と高卒が大卒を上回ることもあるなど、高卒は企業から人気を集めているのです。

若手の人材不足を解消するため、これまでは大卒を中心に採用を行っていた企業も高卒に目を向け始めるなど、高卒の需要は高まっています。

中でもIT業界はその傾向が強いとされているようです。IT企業の場合、就職すれば仕事をしながらスキルを身につけることができるというのも魅力。

IT業界は今後も需要は高まっていくと予想されているため、プログラマーとしてのスキルを身につければ転職時も有利になるのではないでしょうか。

より早い段階で自立できる

高卒と大卒では18歳と22歳で、4歳も年齢が違います。4年の違いは非常に大きなもの。

社会に出てからは1年1年が濃密なものとなるため、高卒で就職してからの4年間で経験を積めば大卒で就職する人よりも早く成長し、自立することができます。

大学進学にはお金がかかるため、経済的な状況から進学が難しいという人もいるでしょう。その場合は奨学金を借りるか、就職するという道を選ぶことになりますが、奨学金はいわば借金です。卒業すれば長期間返済し続けなければいけません。

そこまでして大学でやりたいことがあるというなら別ですが、大学で勉強したいことがなければ高卒で社会に出た方が自分のためになる可能性もあります。

また、高卒で就職したからといって二度と大学に通えないという訳ではありません。どうしても大学に行きたくなったら仕事を休職か退職かして、大学に入ることもできます。

わざわざ遠回りしてまで大学に入る訳ですから、学びたい事柄について意欲的に取り組むことができるはずです。

自己投資できる

大学進学にはかなり費用がかかります。奨学金を借りて大卒で就職した場合、奨学金の返済を続けなければいけないため金銭的な負担になります。

高卒の場合、仕事でもらった給料を返済にあてるのではなく、自分のスキルアップなどのために使うことができます。10代のうちから貯金ができるというのもメリットでしょう。

早くに自立し、自分を磨いていきたいという人は高卒で就職するという選択肢もいいかもしれません。

会社が育ててくれる

専門知識や技術が必要な仕事の場合、高卒でも大卒でもスタートは同じです。

研修制度や教育制度を整えている企業は多く、未経験で就職しても会社が育ててくれます。

人手不足の業界の場合は特にその傾向が強く、また、学歴よりも実力を重視していることが多いです。

努力してバリバリ仕事をしたいという人は将来的な飛躍も目指すことができるのではないでしょうか。

高卒で就職するデメリット

高卒での就職にはメリットもありますが、デメリットもあります。

メリットだけでなくデメリットもしっかりと考えたうえで選択することが重要です。

社会経験がないうちに仕事を決めなければいけない

高校生のうちにアルバイトをしたことがあるという人は多いと思いますが、アルバイトと会社で就職して社会人として働くのはまた違うものです。

高卒の場合、社会経験がないうちに仕事を決めなければならず、実際の企業で仕事をするイメージができないまま仕事を決めることになり、ミスマッチが起こる可能性も。

最近では高校生からのインターンシップを行っている学校もあるなど、企業で実際に働く体験をすることの重要性が広まってきています。

初任給が低くなるケースも

業界や企業にもよりますが、高卒の場合、大卒よりも初任給が低くなる傾向があります。

中には学歴ではなく、その人個人の仕事ぶりによって評価し、給料を決めるという欧米式の制度を導入している企業もありますが、初任給が低くなるケースが多いことは把握しておくといいでしょう。

まとめ

現代では、高卒も大卒と変わらない就職率となっているなど、高卒でも就職しやすい時代となってきています。メリット・デメリットを踏まえたうえで自分に合った選択をするといいでしょう。

とはいえ、「自分の経歴に自信がない」「どのように就職活動を行っていけばいいのかわからない」「就職について相談できる人がいない」など、悩みを抱えてしまっている人は少なくありません。

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